明るくない言葉

つらい人生の現実にまつわる言葉など

つらい人生の現実がこんなにも明らかであるのに、ほかの人たちはみなどうしてそんなにたやすく自分に嘘をつけるのだろうと

シゾイドの人はよくいぶかしむ。 「パーソナリティ障害の診断と治療」(ナンシー・マックウィリアムズ)

恥ずかしくも一敗地にまみれた

子供が行う性の探求は、その子の身体発達の程度によって箍(たが)をはめられ、なんら満足のゆく形で終結することがなかった。そこから、次の嘆きが後になって出てくる、「わたしはなにも成し遂げることができない、わたしには何事もうまく行かない」。たいていの場合異性の親へと拘束される情愛は、幻滅にみまわれ、満足を期待してもむなしく、自分の愛する親の不実を抗いようもなく示す新たな子供の誕生によって嫉妬に席を譲った。自分でそのような子供を作り出そうという、悲劇的な真剣さで企てられた試みは、恥ずかしくも一敗地にまみれた。小さいうちに注がれていた[親の]情愛は減退し、教育が差し出す要求は増大し、自分に対する言葉遣いは厳格なものとなり、場合によっては罰が与えられる、こうしたことによってついに、自分に降りかかっている侮蔑の全貌が剥き出しになっていたのである。

フロイト「快原理の彼岸」