明るくない言葉

つらい人生の現実にまつわる言葉など

つらい人生の現実がこんなにも明らかであるのに、ほかの人たちはみなどうしてそんなにたやすく自分に嘘をつけるのだろうと

シゾイドの人はよくいぶかしむ。 「パーソナリティ障害の診断と治療」(ナンシー・マックウィリアムズ)

絶望に正直

 ひとつの表現を使いますと、精神分析の中でわかったことですが、人は人生のあるときに、偶然、環境的、あるいは身体・生理的必然、無知などから「まずさ」「生きづらさ」を体験しますが、そのときにその扱えなさに圧倒されて無意識に、ときには故意にその場をごまかしてしまいます。そうすると、そこからボタンの掛け違いのような事態が発生してきます。それがわかったところで矯めればいいんですが、不安・恐怖・依怙地・利得などがあって矯められず、掛け違いを続けてしまいます。そうすると、ある時点でもう自分の手に負えなくなってしまっている。このときの絶望に正直になれるのか、繕ってやりすごそうとするのか、そこに選択があると思います。

藤山直樹松木邦裕・細沢仁「精神分析を語る」

 

精神分析を語る

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