明るくない言葉

つらい人生の現実にまつわる言葉など

つらい人生の現実がこんなにも明らかであるのに、ほかの人たちはみなどうしてそんなにたやすく自分に嘘をつけるのだろうと

シゾイドの人はよくいぶかしむ。 「パーソナリティ障害の診断と治療」(ナンシー・マックウィリアムズ)

「不幸感」と共に生きる

松木 結局、私は年をとるほど生きるのが楽になってきましたね。これは精神分析のおかげだと思っています。
細沢 どういう意味で楽になってきたの?
松木 その「不幸感」というものが、私の日常を支配しなくなったんですね。今でも、何も問題が起こっていない平穏なときに、「不幸感」がこころに感じられているのを感知するときがあります。しかし圧倒されたり不安になることなく、それと付き合えます。かつてはその「不幸感」をこれがあるから苦しいと排除することを思っていたんだけど、それがあるのが自分なんですね。別人にはなれないし、なる必要もないことがわかってきたんですね。

 藤山直樹・松木邦裕・細沢仁「精神分析を語る」