2014-10-18 「不幸感」と共に生きる 引用 松木 結局、私は年をとるほど生きるのが楽になってきましたね。これは精神分析のおかげだと思っています。 細沢 どういう意味で楽になってきたの? 松木 その「不幸感」というものが、私の日常を支配しなくなったんですね。今でも、何も問題が起こっていない平穏なときに、「不幸感」がこころに感じられているのを感知するときがあります。しかし圧倒されたり不安になることなく、それと付き合えます。かつてはその「不幸感」をこれがあるから苦しいと排除することを思っていたんだけど、それがあるのが自分なんですね。別人にはなれないし、なる必要もないことがわかってきたんですね。 藤山直樹・松木邦裕・細沢仁「精神分析を語る」