いつからここにいたのか分からないけれど、気が付くとここにいる。2,3センチほどの生ぬるい液体に身を横たえてただただずっと空を見る。空は闇。ただの闇。そこは暗くて無限に広い。遠くに1つだけ星のような明かり。それを見る。じっと見る。そうして疲れたら闇を見る。
いいかげんどこか別のところに行こうかと、あの明かりを頼りに行こうかと思ってはみたものの、あんまりにも長くここにいたからわたしの体は腐ってしまっていて最早どこにも行けやしない。腐ってしまった腐ってしまった。端のほうからゆっくりと、でも確実に腐ってしまった。どろどろと溶けた手足でどこへ行こう。流れた目玉で何を見よう。