明るくない言葉

つらい人生の現実にまつわる言葉など

つらい人生の現実がこんなにも明らかであるのに、ほかの人たちはみなどうしてそんなにたやすく自分に嘘をつけるのだろうと

シゾイドの人はよくいぶかしむ。 「パーソナリティ障害の診断と治療」(ナンシー・マックウィリアムズ)

引用

涙が出るよ

ママ ママ とてもつらいよ ママ ママ 涙が出るよ いつでもそばにいてくれた あなたは僕をもうたすけてくれないの あわれな僕はすてられて あなたは僕をもうたすけてくれないの こわい人たちにわらわれる 僕をながめてなぜ平気でいられるの ママ ユニコーン「…

つらかろうが

見つからないし全く気にしてない つらいことばかりだね それでもずっとトンネル掘ってる 30年 つらいことばかりかね いつまでたっても同じ繰り返し それでもずっと 許してきたけどね(つらいことばかりだね…) どれだけほんとばらばらのかけら 一瞬で繋がっ…

圧迫

その人はこう言うんです。自分は人類全体を愛してはいるけど、われながら自分に呆れてる。それというのも、人類全体を愛するようになればなるほど、個々の人間、つまりひとりひとりの個人に対する愛情が薄れてゆくからだ。空想の中ではよく人類への奉仕とい…

光は闇に

ことばは沈黙に、光は闇に、生は死の中にこそあるものなれ 飛翔せるタカの、虚空にこそ輝ける如くに ル=グウィン「ゲド戦記1」

ゆらゆらと光る

私はとても疲れている。苦しむには若すぎる、と人は言う。なんという秩序。存在するということのほかには、何も私に起こりえない。賛成だ。異常な倦怠。 岡崎京子「水の中の小さな太陽」

ジャバウォッキー

ときしもぶりにく、しねばいトーブがくるくるじゃいれば、もながをきりれば、すっぺらじめなポロドンキン、ちからのピギミイふんだべく ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」

By each let this be heard

Yet each man kills the thing he loves 人は誰も、己の愛するものを殺してしまうのだ オスカーワイルド「the ballard of reading gaol」

ドリームクラッシャー

ある程度まともに育った奴ならうすうす気づくはずだオレ達のほとんど八割にロクな将来はねえと 愛する友達 甲子園をめざした野球部のマサヤ 彼女を守って隣の高校のヤツをブン殴ったヒロシ 麻雀ばっかやってたアマツにサイトウ青春の疾走りをやめなかった美…

チョコレートやるから

「あらゆるものは踏み潰されて 塵となって嵐に舞って消えてく できてたこともできなくなるだろう いつか見た夢も泡と消える」 No Lie-Sense「イート・チョコレート・イート」

恥ずかしくも一敗地にまみれた

子供が行う性の探求は、その子の身体発達の程度によって箍(たが)をはめられ、なんら満足のゆく形で終結することがなかった。そこから、次の嘆きが後になって出てくる、「わたしはなにも成し遂げることができない、わたしには何事もうまく行かない」。たい…

切ない胸は分かるまい

アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 西田佐知子「アカシアの雨がやむとき」

最大の悲劇

自分の愛が破壊的に感じられることこそ、分裂的人物の最大の悲劇である。このように、自分の愛がきわめて破壊的なものに感じられるからこそ、分裂的な人は、外的現実の対象にリビドーを振り向けることに大きな困難を覚えるのである。かれは愛することを恐れ…

ほんとうのさいわい

ジョバンニは、ああ、と深く息しました。 「カムパネルラ、また僕たち2人きりになったねぇ、どこまでもどこまでもいっしょに行こう。僕はもう、あのさそりのようにほんとうにみんなの幸いのためならば僕のからだなんか、百ぺん灼いてもかまわない。」 「うん…

自己呪縛

「被害者である私」という名乗りを一度行った人は、その名乗りの「正しさ」を証明するために、そのあとどのような救済措置によっても、あるいは自助努力によっても、「失ったもの」を回復できないほどに深く傷つき、損なわれたことを繰り返し証明する義務を…

ある者は生涯が闇夜

Every Night & every Morn Some to Misery are Born Every Morn & every Night Some are Born to sweet delight Some are Born to sweet delight Some are Born to Endless Night 毎晩毎朝 不運に生まれつく者 毎朝毎晩 幸せに生まれつく者 幸せに生まれつく…

排除したくなる?

「人と人の関係じゃないんだよきっと。自分と自分以外の人間なんだよ。自分が自分以外の凡てと同じ質量を持っているような錯覚をしているんだろうな、僕なんかの場合は。能く考えてみれば解ることなんだが――要するにそれって自己が肥大してる訳だろう、無限…

尊重すべきは本能

わたしが死んだって世界は変わらないし 生きている意味などいらない関係ないわ 戸川純『本能の少女』

残念ながら自立する

「根源的受動性」とは「絶対的価値」がまだ維持されている親子関係の内で、子どもが親の保護をまったく疑うことなく安全を味わえる時の体験です。 人間の欲望の根底にはこの根源的受動性へ回帰したいという願望があります。しかし私たちの成長とは、さまざま…

悪い体験を生き抜く

人が生きていくに大切なことは、よい体験をして、それをとり入れることであると同時に、悪い体験をそれとして生き抜くことです。悪い体験をどのように生き抜いていくか。それは人生の重大な課題です。<中略>よい体験が供給されることで、内的な悪い体験に…

思案の洪水

戦地で働いている兵隊さんたちの欲望は、たった1つ、それはぐっすり眠りたい欲望だけだ、と何かの本に書かれて在ったけれど、その兵隊さんの苦労をお気の毒に思う半面、私は、ずいぶんうらやましく思った。いやらしい、煩瑣な堂々めぐりの、根も葉もない思…

なにのぞむなく

汚れっちまった悲しみは なにのぞむなくねがうなく 汚れっちまった悲しみは 懈怠(けだい)のうちに死を夢む 中原中也「山羊の歌」

邪悪なもの

私たちは自分たちが受けた傷や損害がまったく「無意味」であるという事実を直視できない。 だから私たちは「システムの欠陥」でも「トラウマ」でも「水子の祟り」でも何でもいいから、自分の身に起きたことは、それなりの因果関係があって生起した「合理的な…

病気

人間は誰もある程度、ある部分で、ある意味で病気である。それが精神分析が教えてくれることなのである。 藤山直樹「落語の国の精神分析」より