2014-01-01から1年間の記事一覧
いつからここにいたのか分からないけれど、気が付くとここにいる。2,3センチほどの生ぬるい液体に身を横たえてただただずっと空を見る。空は闇。ただの闇。そこは暗くて無限に広い。遠くに1つだけ星のような明かり。それを見る。じっと見る。そうして疲れ…
今望んでいるものを手にして、何の得があろうか。 それは夢、瞬間の出来事、 泡のように消えてしまう束の間の喜びでしかない シェークスピア「ルークリース凌辱」
生まれ変わるなら山椒魚が良いなと考える。 巻き上がる砂粒を数えながら過ごしたい。嵐の日は川底から荒れる水面を眺めたい。 水の温度とやわらかい土の感覚。それだけを感じる。 目を閉じて、ゆっくりと動く。
「近頃僕は頭が変になって大事なものから壊して燃やす詩人の歌は腐った肉の歌あのコの正体骨と皮」 No Lie-Sense「イート・チョコレート・イート」
境界心性とか、ボーダーレス状態というのは、さまざまな理論による厳密な定義づけや、その間の異同は別として、どの個人の中にも存在するある種の不確定性の謂だと思う。身体と魂、夢と現実、衝動と理性、自己同一性の拡散と固着、感受性と鈍麻性、攻撃性と…
結局、苦しんでいる人の多くは、欲張りなんだよね。つまりそれは、諦めてないんですよ。諦めていないというのは、例えば、ちょっといいことがあると、それを続かせようとしたり、予測したりしますから。 藤山直樹「落語の国の精神分析」
地面が割れて小鬼たちが踊り出す。切り取られた乳首零れ落ちる内臓。よろしければ目玉をどうぞ。
ママ ママ とてもつらいよ ママ ママ 涙が出るよ いつでもそばにいてくれた あなたは僕をもうたすけてくれないの あわれな僕はすてられて あなたは僕をもうたすけてくれないの こわい人たちにわらわれる 僕をながめてなぜ平気でいられるの ママ ユニコーン「…
足元にはいつもぽっかりと空いた穴がある。暗くて深い穴がある。ともするとそこから子鬼たちがやってきてわたしの周りを踊りだす。たのしそうに踊りだす。
見つからないし全く気にしてない つらいことばかりだね それでもずっとトンネル掘ってる 30年 つらいことばかりかね いつまでたっても同じ繰り返し それでもずっと 許してきたけどね(つらいことばかりだね…) どれだけほんとばらばらのかけら 一瞬で繋がっ…
その人はこう言うんです。自分は人類全体を愛してはいるけど、われながら自分に呆れてる。それというのも、人類全体を愛するようになればなるほど、個々の人間、つまりひとりひとりの個人に対する愛情が薄れてゆくからだ。空想の中ではよく人類への奉仕とい…
ことばは沈黙に、光は闇に、生は死の中にこそあるものなれ 飛翔せるタカの、虚空にこそ輝ける如くに ル=グウィン「ゲド戦記1」
私はとても疲れている。苦しむには若すぎる、と人は言う。なんという秩序。存在するということのほかには、何も私に起こりえない。賛成だ。異常な倦怠。 岡崎京子「水の中の小さな太陽」
暗闇の中、川沿いの草を蹴りながら歩く。対岸の花火。遠くに微かなランタンの明かり。点いたと思えばすぐに消える。向こう岸への橋はなく。疲れたら穴を掘る。穴を掘って眠る。
ときしもぶりにく、しねばいトーブがくるくるじゃいれば、もながをきりれば、すっぺらじめなポロドンキン、ちからのピギミイふんだべく ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」
Yet each man kills the thing he loves 人は誰も、己の愛するものを殺してしまうのだ オスカーワイルド「the ballard of reading gaol」
ある程度まともに育った奴ならうすうす気づくはずだオレ達のほとんど八割にロクな将来はねえと 愛する友達 甲子園をめざした野球部のマサヤ 彼女を守って隣の高校のヤツをブン殴ったヒロシ 麻雀ばっかやってたアマツにサイトウ青春の疾走りをやめなかった美…
わたしたちは結局、みな孤独なのだ。孤独であるという根源的な状態は、どうすることもできない。 「海からの贈りもの」(アン・モロウ・リンドバーグ)
「あらゆるものは踏み潰されて 塵となって嵐に舞って消えてく できてたこともできなくなるだろう いつか見た夢も泡と消える」 No Lie-Sense「イート・チョコレート・イート」
子供が行う性の探求は、その子の身体発達の程度によって箍(たが)をはめられ、なんら満足のゆく形で終結することがなかった。そこから、次の嘆きが後になって出てくる、「わたしはなにも成し遂げることができない、わたしには何事もうまく行かない」。たい…
アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 西田佐知子「アカシアの雨がやむとき」
自分の愛が破壊的に感じられることこそ、分裂的人物の最大の悲劇である。このように、自分の愛がきわめて破壊的なものに感じられるからこそ、分裂的な人は、外的現実の対象にリビドーを振り向けることに大きな困難を覚えるのである。かれは愛することを恐れ…
彼らがあなたの苦悩をなきものとするのならわたしがその下へ降りてゆきましょう別に何もしないけれどただあなたと共にいましょう。暗闇はこわい?地下室はこわい?大丈夫息をひそめてほらここでの生き方を教えてあげる。
ジョバンニは、ああ、と深く息しました。 「カムパネルラ、また僕たち2人きりになったねぇ、どこまでもどこまでもいっしょに行こう。僕はもう、あのさそりのようにほんとうにみんなの幸いのためならば僕のからだなんか、百ぺん灼いてもかまわない。」 「うん…
Every Night & every Morn Some to Misery are Born Every Morn & every Night Some are Born to sweet delight Some are Born to sweet delight Some are Born to Endless Night 毎晩毎朝 不運に生まれつく者 毎朝毎晩 幸せに生まれつく者 幸せに生まれつく…
「被害者である私」という名乗りを一度行った人は、その名乗りの「正しさ」を証明するために、そのあとどのような救済措置によっても、あるいは自助努力によっても、「失ったもの」を回復できないほどに深く傷つき、損なわれたことを繰り返し証明する義務を…
「人と人の関係じゃないんだよきっと。自分と自分以外の人間なんだよ。自分が自分以外の凡てと同じ質量を持っているような錯覚をしているんだろうな、僕なんかの場合は。能く考えてみれば解ることなんだが――要するにそれって自己が肥大してる訳だろう、無限…
わたしが死んだって世界は変わらないし 生きている意味などいらない関係ないわ 戸川純『本能の少女』
「根源的受動性」とは「絶対的価値」がまだ維持されている親子関係の内で、子どもが親の保護をまったく疑うことなく安全を味わえる時の体験です。 人間の欲望の根底にはこの根源的受動性へ回帰したいという願望があります。しかし私たちの成長とは、さまざま…
人が生きていくに大切なことは、よい体験をして、それをとり入れることであると同時に、悪い体験をそれとして生き抜くことです。悪い体験をどのように生き抜いていくか。それは人生の重大な課題です。<中略>よい体験が供給されることで、内的な悪い体験に…